BOOX Nova Air で root を取得する

BOOX Nova シリーズでrootを取得する方法を紹介します。
この記事ではNova Airを例に挙げていますが、Nova NoteやNova Leafなど、全てのNovaシリーズでも同じ方法でrootを取得できます。

初期イメージの取得

root取得済みのイメージを作成するため、初期イメージを取得します。初期イメージはブラウザから普通にダウンロードできます。ダウンロードページはこちらです。

他の機種かつ発売直後でアップデートがまだない場合

アップデートがまだされておらず、ダウンロードページでファームウェアが見つからない機種の場合は、この記事の法則に従ってOTAのURLを辿ります。

Nova Airの場合、一覧のURLは以下のようになります。

この中で 2022年2月現在の最新ファームの場URLは以下です。

イメージの暗号化解除と抽出

イメージは暗号化されているので、それを復号します。復号にはdecryptBooxUpdateUpxを利用します。decryptBooxUpdateUpxはPython 使って動くのでPython を事前にインストールしておきます。
以下はNovaAirの場合の実行例です。
  • pip install pycryptodome
  • python DeBooxUpx.py NovaAir update.upx

実行するとアップデートイメージの update.zip が得られます。普通の zip ファイルになっていますので、この中からboot.img 取り出します。

root 化済み boot.img の作成

ここからは一般的なbootloader unlock済み機種のroot取得と手順は同じです。
BOOXシリーズはGoogleのCTS認証を受けていない代わりに初めからbootloaderがunlockされていますので、unlockそのものは不要になっています。
adbやfastbootコマンドが無い場合はdeveloper.android.comからダウンロードしておきます。
  1. Magisk/releasesからMagiskManagerを取得してインストールします。
    • adb install を使うのが一番お手軽です。
  2. MagiskManagerの自動アップデート機能を使いMagiskManager自身を更新します。
    • アプリ横のインストールボタンを使い、最新版と同じバージョン(下段)になるまで手順を繰り返します。
  3. 先ほど抽出したboot.imgにパッチを当てます。
    • boot.imgをGoogleドライブに保存し、MagiskManager内からMagiskのインストールを選びます。
    • パッチするファイルの選択でGoogleドライブや本体NAND上に保存したboot.imgを選択します
  4. パッチ済みのboot.imgをPCに取り込みます。
    • adb pull /storage/emulated/0/Download/magisk_patched-24100_XXXXX.img のようなコマンドを実行します。(ファイル名はパッチ時のログを参照)

boot.img の動作確認

本体NANDを書き換えずに動作を確認します。それには以下のようにコマンドを実行します。
  1. adb reboot fastboot
  2. (ロゴが表示されるまで待つ)
  3. fastboot boot magisk_patched-24100_XXXXX.img
    • 先ほど保存したイメージを指定してRAM上に流し込みます
  4. (起動するまでしばらく待ちます)
    • 画面が一瞬真っ白になることがありますので慌てないように
起動したらMagiskManagerでMagiskのバージョン(上段)が表示されていてN/A出ないことを確認します。adb shell 内で su が使えることを確認してもよいでしょう。
これで動作確認ができ一時的にrootが取得(temproot)できました。

この状態を維持したい場合、fastboot flash boot コマンドを使ってもよいですが、MagiskManagerから直接インストールを使うのもミスが起こりにくくて良いと思います。

元に戻したい場合

fastboot flash boot コマンドで元の boot.imgを書き込んでもよいですが、先ほど取得したupdate.upxを上書きインストールするのが一番確実です。systemパーティションも含めて元に戻るので、いろいろ変更した場合にも便利です。

update.upxを適用するにはTipsの手順に従います。
  1. PCとUSBで接続し「内部共有ストレージ」の直下にupdate.upxをコピーする
  2. 設定メニューの「ファームウェアアップデート」に入ると「端末内にインストールパッケージがあります。今すぐインストールしますか?」と聞かれるので「今すぐアップデート」を選びます。

最後に

BOOXシリーズでrootを取得する方法を紹介しました。初期イメージもきちんと公式サポートページに用意されていてbootloaderもunlock済みということで、Androidデバイスとしてもなかなか遊べるものになっています。なかなかおすすめです。

購入検討メモ

参考までに2022年2月時点でどの機種を選べばいいのか、私が購入時に検討した内容をメモしておきます。(この記事を読むのは買った後だとは思いますが)
  • 電子書籍は大体Amazonで買っているか?
    • YesならKindle Paper WhiteかKindle Oasisでよい。
      • Amazon中心で敢えてBOOXを選ぶとしたらカラーE-Inkだが、それだけのためにBOOXを選ぶのは今は微妙。
    • 他の電子書籍ストアのセールを駆使してライブラリが分散しているなら、Google Playが使えるBOOXシリーズを選ぶ。
  • カラーは必要か
    • YesならNova3 Colorしかない
      • ただし、解像度には期待してはいけない。レビュー記事をよく読むこと。
  • 画面サイズには7インチでよいか、ペンは不要か?
    • YesならBOOX Leafでよい。
      • E-Inkの端末は本読む以外には使わないだろうしスペックはこれでも十分。
  • 物理ページ送りキーは必要か?
    • Yesで画面サイズが少しでも大きい方が良いならNova Airしかない。
      • Nova Leafとの価格差は 11000円ある。違いは主に次の三つ。
        • 画面 7.0インチ → 7.8インチ
        • ペン なし → あり
        • RAM 2GB → 3GB
      • 物理ページ付きのケースは6000円するので注意。
  • カラーや物理キーよりも画面の大きさやペンの性能を優先したいか?
    • その場合はNote/Note2やMaxになる
    • 読書にこのサイズが向いているかは正直分からない。
  • 購入先は Yahoo!ショッピング(PayPayモール)で、セールを駆使するとよい。
    • 実質2割引き前後で買えるタイミングが月当たり5日程度ある

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